大量の陳情に思う
2025/11/20記
 本日の議会運営委員会に提出された陳情は477件で、そのうちの476件がアフリカホームタウン計画の撤回を求める陳情であった。陳情の数は異常に多いが476件のうち461件、実に96.8%が改行の位置まで全く同じ【JICA「アフリカ・ホームタウン」認定に伴う移民受入れ計画の白紙撤回を求める陳情】という文章で、同一住所で同一の苗字の方と近い住所の方の陳情が一つの郵便で届くという状況も多発していた。またそれとは別に所沢市・松戸市・横浜市及び熊本県合志市といった別々の所から同じ様式の陳情も届いている。これらは書式がインターネットで配布されていることを示しており、単なる署名活動のような陳情だと感じていた。
 
 陳情者の住所を分類したものが下表であり、新潟県・和歌山県・佐賀県及び宮崎県を除く43都道府県から陳情が届いている。千葉県は都道府県別で92件の東京都に次ぐ2位の75件であったが、そのうち木更津市に住所が有る人からの陳情は3件で、かずさ四市に広げても袖ケ浦市から1件の提出が有っただけで君津市と富津市からは出ていなかった。なお、人口は総務省統計局が発表している令和5年度推計値を使用しており単位は千人である。
 統計局ホームページ/日本の統計 2025−第2章 人口・世帯
 
No 都道府県名 人口[A] 件数[B] 比率 B/A*1000
1 北海道 5,092 3 0.63% 0.59
2 青森県 1,184 1 0.21% 0.84
3 岩手県 1,163 1 0.21% 0.86
4 宮城県 2,264 9 1.89% 3.98
5 秋田県 914 1 0.21% 1.09
6 山形県 1,026 1 0.21% 0.97
7 福島県 1,767 6 1.26% 3.40
8 茨城県 2,825 7 1.47% 2.48
9 栃木県 1,897 5 1.05% 2.64
10 群馬県 1,902 6 1.26% 3.15
11 埼玉県 7,331 32 6.72% 4.37
12 千葉県 6,257 75 15.76% 11.99
13 東京都 14,086 92 19.33% 6.53
14 神奈川県 9,229 36 7.56% 3.90
15 新潟県 2,126 0 0.00% 0.00
16 富山県 1,007 1 0.21% 0.99
17 石川県 1,109 1 0.21% 0.90
18 福井県 744 3 0.63% 4.03
19 山梨県 796 2 0.42% 2.51
20 長野県 2,004 3 0.63% 1.50
21 岐阜県 1,931 2 0.42% 1.04
22 静岡県 3,555 11 2.31% 3.09
23 愛知県 7,477 30 6.30% 4.01
24 三重県 1,727 4 0.84% 2.32
25 滋賀県 1,407 2 0.42% 1.42
26 京都府 2,535 9 1.89% 3.55
27 大阪府 8,763 24 5.04% 2.74
28 兵庫県 5,370 19 3.99% 3.54
29 奈良県 1,296 3 0.63% 2.31
30 和歌山県 892 0 0.00% 0.00
31 鳥取県 537 6 1.26% 11.17
32 島根県 650 1 0.21% 1.54
33 岡山県 1,847 19 3.99% 10.29
34 広島県 2,738 6 1.26% 2.19
35 山口県 1,298 2 0.42% 1.54
36 徳島県 695 5 1.05% 7.19
37 香川県 926 11 2.31% 11.88
38 愛媛県 1,291 4 0.84% 3.10
39 高知県 666 5 1.05% 7.51
40 福岡県 5,103 14 2.94% 2.74
41 佐賀県 795 0 0.00% 0.00
42 長崎県 1,267 6 1.26% 4.74
43 熊本県 1,709 2 0.42% 1.17
44 大分県 1,096 4 0.84% 3.65
45 宮崎県 1,042 0 0.00% 0.00
46 鹿児島県 1,549 1 0.21% 0.65
47 沖縄県 1,468 1 0.21% 0.68
合計 124,353 476 100.00% 3.83
 
 件数/人口[千人]×1000で求められる人口百万人当たりの陳情件数を見ると千葉県が最多の11.99件であるが、鳥取県や香川県が理由は解らないが意外に多いことに気が付く。木更津市と同時期に騒動に巻き込まれた山形県長井市、新潟県三条市、愛媛県今治市の方からは1件も届いていなかった。
 
 こんな分析が可能なのは議会事務局の職員が丁寧に受け付けて表として整理してくれているからであり、この陳情が有ることで職員には労働強化になっている。他にも苦情電話の対応も多かったようだが、それより大変だったのは国際交流を担当している企画部で、この騒動に忙殺されて10月31日に世界から6つの国や都市を招いてかずさアカデミアパークを会場に木更津市が主催した国際フォーラムであるOrganic Industry Forumの準備が後手に回ったとも聞いている。木更津市にとって大きな損失である。
 
 今後も同様な「陳情テロ」が予想されるので、この様な事態は威力業務妨害と認定できるようにするか、陳情者が実在する自然人であることを証明するために住民票の添付を要件にすることなどの法改正を国に求めようと永原議員から提案が有った。国民の陳情する権利を奪わない範囲での法改正も考えられるが、そもそも出された陳情をどの様に扱うかは各議会に委ねられていたりする。
 具体的には市民以外からの陳情は審議しないという議会も有るので、これを引用すれば市民の3件以外は整理の必要が無くなるだろう。しかし木更津市は交流人口が多い自治体なので幅広に市民以外も受け付けている状況は維持したいと思う。
 
 今回の陳情については私が前にも繰り返し記載しているように事実と異なる事案に対することなので議会として議論する争点がない上に、電話番号が記載されていた陳情者に委員会に出席して趣旨を述べるかと確認してもその意向が有るものも無く、定例会では議長預かりとなり委員会審査や議会議決の対象にしないことを本日の議会運営委員会で誰からの異論もなく決まったことも付け加える。それでも今後もこの騒動が成功事例だったと認識した政党や個人が何度となく蒸し返してくる可能性は拭えない。
 
 個人的には不毛な事案に対して労力を使うことはもう勘弁していただきたいと願いながら、ホームタウン騒動に関する記載がこれで終わりに成ることを希望し、今回の記事を終える。