談合の和解に思う
2025/08/31記
 7月2日に木更津市から出向しているかずさ水道広域連合企業団議会議員の4人に対して説明があった談合事案に関する損害賠償の和解があった旨の連絡があった。
 和解金が入金されて解決されるまでは他の水道事業における同様の事案に影響がある事が想定されることから緘口令が敷かれていたが、解決したので公表したい。
 
 先ずはかずさ水道が公式HPに記載している損害賠償請求訴訟について私なりに要旨を整理して記載する。
 
 
 令和元年11月22日に公正取引委員会は浄水場で使用する活性炭の販売業者に対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定に基づき排除措置命令及び課徴金納付命令が行われた。解り易く言えば談合が認定されたのである。
 かずさ水道広域連合企業団も平成26年度から平成28年度に被害を受けていると判断し、請求期限となる認定から3年以内のギリギリである令和4年11月16日に、活性炭購入及び活性炭再生業務委託契約への入札に参加した事業者8社に対し、損害賠償請求訴訟を東京地方裁判所に提起した。
 請求額は729,794,530円で、内訳として添付用印紙額221万円、損害額(税込み)約6億9504万円、弁護士費用約 3475万円である。損害額は、談合が無い状態で想定される価格と実際の価格との差で、弁護士費用は、その5%として請求している。
  
 談合があった頃はパンデミックもロシアによるウクライナ侵攻も発生前で1ドル110円程度で為替も安定していた頃である。しかしながらオリンピックに向けて建設物価の高騰が進み木更津市も新庁舎の整備を諦めて現在の施設に移った年であるように物が高くなることに違和感が無かったことと、使用済みの活性炭を焼き直して再生させるという特殊な仕事は原価計算が難しいこともあり企業団だけでなく当時から議員で会った私も談合の気配を見抜くことが出来なかった点は反省している。
 
 訴訟された業者は既に公正取引委員会に命令されていることもあり談合を行ったことは認めているが、その損害額についての計算根拠や企業としての負担能力の限界などもあり、和解に持ち込むことが裁判所より提案され、企業団も裁判で勝ったために企業が倒産して賠償金が受け取れない事態を回避するため和解を選択した。その額に関して双方で話し合いがもたれ、解決に至ったのであるが議員には29日に成ってやっと届いた報告を記載する。なお、下記文章は企業団の原文を私が理解しやすいように独断で加筆削除したものであり、オリジナルの物とは大きな乖離がある事を加えさせていただく。 
 
 「活性炭談合損害賠償請求訴訟」に係る和解の成立について
 
1.事案の概要
 平成26年度から28年度に旧君津広域水道企業団が締結した「浄水場水道用粒状活性炭購入」及び「浄水場活性炭再生業務委託」のうち5契約分について損害を被ったと判断し、排除措置命令等を受けた8社に対し損害賠償請求訴訟を提起し、その後計15回にわたる裁判手続を進め、令和7年8月4日に被告から解決金として4億21977万円が支払われ和解が成立した。
 
2.訴訟相手方
  本町化学工業株式会社
  フタムラ化学株式会社
  大阪ガスケミカル株式会社
  株式会社クラレ
  太平化学産業株式会社
  朝日濾過材株式会社
  セラケム株式会社
  ダイネン株式会社
 
3.損害賠償請求額 7億2979万4530円
 
4.和解条項概要
 ・ 本件解決金として、4億2197万円を支払う。
 ・ 企業団はその余の請求をいずれも放棄する。
 ・ 本和解に定める他、債権債務関係はないとする。
 ・ 訴訟費用は、各自の負担とする。
  
 請求額に対して和解額は約57.8%であるが、公正取引委員会が指摘しなければ気が付かなかったこともあり4億2千万円の臨時収入が有ったことは喜ぶべきことであろう。
 これで今年の水道事業は黒字幅が大きくなるかと聞かれれば、今年度から所管が厚生労働省から国土交通省に移管された悪い影響が出て、交付金の内示が少なくなり水道管改修事業などを大きく減らさざるを得ない状況となり、老朽管が減らないことで漏水も年々増加し、採算は向上していないため収支は厳しい状況である。統合5年目に木更津市以外の3市の水道料金を値上げしたため、その前の年のように単年度赤字を計上することは無くて済みそうであるが、合併に伴う国の補助金や事業の交付金が物価高騰に見合う程度に増額されない限り、令和11年の4市水道料金統合に伴う改定の際に木更津市や袖ケ浦市では急激な増加が推定される状況に在ることも覚悟せねばならない。
 昨年9月の代表質問でも取り上げたように木更津では駅前庁舎と吾妻文化芸術施設の建設が重なるため今後数年は歳出の拡大が続くなか、急激な良品変動に伴う緩和措置にため税金の投入がやむを得なくなるだろう。その様な状況を前に和解で4億2千万円を得てきた職員には、その功績を労うべきであろうと私は思う。
 
 なお、本訴訟の和解日は8月4日であるが、東京地方裁判所から弁護士事務所を通して和解調書がかずさ水道広域連合企業団に送付されたのが8月25日であり、企業団で和解の成立について副企業長(高橋富津市長)及び企業長(渡辺木更津市長)が決裁をしたのが27日であった。その後、28日に千葉県、君津市長、袖ケ浦市長に対し和解について連絡を行い、29日に企業団議会議員に連絡が届いたので今回の記載となった次第である。公式HPへの掲載については議員への連絡後に決裁を回しており、早急に掲載する予定とのことであるが事務処理に時間が掛かっているようなので私の方が先に掲載してしまうことになったのである。
 議会質問に関する答弁が返ってこないので手持ち無沙汰になりながらこの様な記事を書いていた。