春日部の地下神殿
2025/08/21記
 昭和の頃の観光地と言えば寺社仏閣や庭園城郭などが主であったが平成の時代に成ってテーマパークが全盛と成った。令和になる頃にはカメラ付き携帯の普及に伴い写真映えするスポットに注目が集まり、君津市の濃溝の滝のような場所に観光客が殺到する状況に成り「絶景」という言葉が歴史や文化を凌駕していった。
 その様な陰で人気となっているのが工場見学や現場見学といった今までそこに在りながら観光の対象ではなかった所を見に行くことで、観光する側は日常では出会わない世界を見ることで楽しめるものだが、企業等の側でも商品や会社のPRになるという利点がある。官公庁が土木構造物等を対象に行うインフラツーリズムでは税金の使い方を説明するとともに子供たちには将来の職業として公務員を目指してもらうことも狙っていることだろう。
 
 私も仕事でアクアラインの橋梁やトンネルの工事現場で普通の人が見ない世界を体験してきたし、議員に成ってから木更津消防が緊急時の拠点として使用する風の塔も視察してきたが、自分が担当していない仕事の中で明石海峡大橋の主塔ツアーや黒部川第四発電所までの地下ルートを見て回る黒部宇奈月キャニオンルートなどに行ってみたいと思っているが、その様な中で手近なものである『地下神殿』と呼ばれている施設を昨日見学してきた。
 
 
 
 話しが長くなったが、これは首都圏外郭放水路の調圧水槽という施設で、高さ18mの59本のコンクリート柱がギリシャの神殿のように見られるということで一般的に呼称されるようになったもので、人気の高さから定期的に有料の見学会が開催されている。
 国土交通省関東地方整備局江戸川河川管理事務所も排水ポンプ場の上に建つ管理支所に「龍Q館」というPRセンターを設けて制御室を見せて1993年に着手し2002年に部分供用、2006年に完成した事業の説明や2300億円の事業費を投じた効果などを広く国民に示しており、その規模が観光地としても人気を集めている。
 
 
 所在地が春日部市であるため入口にはクレヨンしんちゃんが立っているのは見学に来る子供のためだと思うが、夏休み期間中ということもあり私以外にも多くの家族連れの見学者が集まっていた。
 定員制で事前予約が必要で、現地集合現地解散、参加料はコースによって料金が異なり私が参加したのは最も簡単で安価なコースで年齢に関係なく参加料金は一人千円であった。
 
 木更津でも東京湾横断道路株式会社がアクアラインのトンネル下部にある緊急自動車通路などの見学ができる「海底トンネルに潜入! 東京湾アクアライン裏側探検」というツアーを企画して火曜日から金曜日までの週に4日の午前と午後に受け入れている。料金は中学生以上一人千円、小学3年生から6年生が5百円というものであるが、ことによると説明員より私の方が知っていることも多そうで興味がわかず、今のところ参加していない。
 
 江戸幕府は洪水から江戸の町を守るため昔は隅田川に流れていた利根川を中川、江戸川と東に付け替え、最終的には関宿周辺の台地を掘り下げて鬼怒川の中流域に合流させ銚子に流すという大工事を実施する。しかし昔の川が流れていた場所は当然相対的に低い場所で、周辺の都市化が進んだこともあって河川改修も難しく、国道16号線の地下に複数の中小河川の洪水を飲み込む延長約6.3kmの地下水路を建設し、それをポンプアップして江戸川に排水する目的で建設された施設であるが、詳細な説明は木更津市とは関係ないのでこれ以上は省略する。
 
 要は、個人的に構造物マニアの土木技術者として気に成っていたものを娘と一緒に見学してきたという話しで、備忘録である。